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2008年3月定例会をふりかえって
             2008年4月2日 日本共産党宇治市会議員団
 3月定例会(2月22日開会、3月28日閉会)は32議案、2修正案、1請願、9意見書案が審議されました。この議会は久保田市政3期目最後の予算議会で、「市民の声を聞かないで、市民に痛みを押し付ける」という市政の特徴がますます明らかになった議会でした。
 
1、市民の願いを聞かない市政の特徴がますます顕著に
 市民の「飲み続けたい」という願いをよそに、市長は、経済効率優先で開浄水場の閉鎖を強行しようとしています。しかし市民理解が得られず、裁判にまで発展する異常事態になっています。閉鎖の第一の理由であった、トリクロロエチレンが原水で出たから止めるという理由でしたが、曝気処理すれば安全であることから論拠を失い、また、第二の理由であった経済効率も、府営水の方が高くつくことからこれも破綻し、住民合意が得られなくなったものです。私たちは水道会計の修正案を提案し、閉鎖をやめるべきと追及してきました。
 市長は、国民健康保険料医療分を、08年度からさらに、2.51%、限度額を3万円引上げる提案をしました。たとえば、年収300万円、4人家族で11,000円も値上げになります。市民から「引下げて」ほしいという請願が出されましたが、宇治市は「支払えない額でない」と冷たく許否、自民・民主・公明なども請願に反対し不採択になりました。
 
2、市民サービス低下もたらす「行革」推進、教育・福祉・くらし応援・防災で不十分な08年度予算
 一般会計にしめる教育費の比率は9.5%で、他市と比べても極めて少なく、小・中学校・幼稚園の耐震補強工事は7年間もかかります。
 宇治小学校は、中学校を併設し小中一貫校とすることから、1000人規模の大規模校になり、必要な校地面積が確保できるか心配だ、などの声があがっています。
 給食費・修学旅行費などを援助する就学援助の収入基準額を引上げ、約400人の小中学生が対象からはずされる大改悪を強行します。 
 学校の普通教室へのクーラー設置は計画もありません。
 マイチェア・マイデスク方式を止めてしまい、07年度は学校からの机イス更新要望の6割弱しか買い替えませんでした。
 30人学級を実施するためには13校、35人学級では4校で教室が足りず、少人数学級に踏み切ることができません。
 こどもの医療費助成制度は、医療保険2割負担の対象年齢拡大で必要財源が少なくなって、通院を小学校入学まで無料にするための必要財源は6300万円なのに実施を拒否しています。
 介護保険料や利用料の軽減を今年も拒否しました。
 保育所保育料の滞納者に対し、財産調査や差し押さえという法的措置を講じようとしています。保育所は、定数がたらず、年度初めで既に69人も待機しています。
 育成学級は、「集団の規模はおおむね40名程度まで」などを定めた厚労省のガイドラインを満たしていません。
 住宅耐震改修助成制度は、府内8自治体が実施するのに、予算計上しませんでした。
 国が示す消防力の整備指針によれば消防職員は268名必要なのに187名の現場配置となっています。耐震基準を満たしていない伊勢田分署の建て替えも、先送りとなっています。 
 ゴミ袋の有料化検討をすすめ、可燃ゴミ収集の民間委託を強行しようとしています。今、重要なことは、民間委託や有料化でなく、ゴミ減量化やゴミの分別拡大です。
 保育所は、2園目の民営化をするとしています。
 学校給食は、現場で調理員を市が直接指揮できないという問題がある、調理の民間委託を新たに3校で実施。このことが、低賃金・不安定雇用を拡大することにもつながっています。給食委託の業者選考では、競争性を強調しながら一度受注した企業がほとんどの場合、そのまま継続受注しており、落札率も100%近い額となっています。大久保小学校では最初の価格4350万円で受ける業者がおらす、予定価格を5100万円に引上げ、結局、入札参加業者は2社のみで、99.94%の落札率でした。
 公民館は、社会教育施設なのに公民館長を嘱託化します。
 同和事業は終結の流れに背き、これからも継続します。また、07年度、部落解放同盟主催の研修会や研究会に32名の職員が公費で参加していますが、止めようとしません。また、市町村の同和事業推進のための組織と言える、山城広域人権啓発新組織に180万円の負担金を支出しようとしています。
 
3、市民の願いがいかせない「まちづくり景観条例」
 宇治市は開発指導要綱の条例化、市民がまちづくり計画を策定するシステム作りの条例化、景観条例を一つにした「まちづくり景観条例」を提案しました。
 しかしこれは、周辺住民がマンションなど開発に異議があっても、特別の場合(予め「まちづくり計画」を策定している地域)以外はあっ旋・調停もしないというものになっています。
 また、独自の「景観審議会」がなくなりますし、今度策定しようとしている景観計画には肝心の「景観地区」指定がありません。
 まちづくり計画への市民参加システムは、前進ですが、0.5ヘクタール以上の地域で3分の2以上の住民合意がなければ計画をつくることができないなど、不十分さもあります。
 これらの多くは、専門家・市民もはいった「条例検討委員会」の検討結果や、宇治市の作成した「素案」でも明記されていたのに、市長提案の条例から抜け落ちたものです。
 
4、市政執行が不安定になっている。
 市長が提案した条例に欠陥・不備が見つかり、提出しなおすという異常事態が、今年もまた発生しました。
 また、水道部で個人情報流出事件が発生し、何度事件を起こしても防止することができない深刻な事態に陥っています。
 職員の通勤手当は、かつて自動車で通勤していても電車で通勤していても、公共交通機関の運賃で計算していたものを「実費」に変えてきました。今年はバイク・自転車通勤と、自動車通勤の場合を区別し、バイク・自転車は減額し、自動車は駐車場代の一部として2500円を上限とした補填が条例提案されました。
 これは労使合意した事項ですが、自民・民主・公明などが改正内容に反対し、修正可決してしまいました。労使合意を尊重するべきであり、議会が修正することは大間違いです。
 
5、道路特定財源の一般財源化と暫定税率廃止を求める意見書、後期高齢者医療制度廃止・抜本見直し求める意見書など可決
 「自衛隊イージス艦の漁船衝突事故の真相究明と再発防止ならびに被害者の救助と関係者への誠意ある対応を求める意見書」を、開会日(2月22日)に全会一致で可決し政府に送付しました。
 また、道路特定財源の一般財源化と暫定税率廃止を求める意見書、後期高齢者医療制度廃止・抜本見直し求める内容の意見書、消えた年金問題の速やかな解決を求める意見書を、共産・民主・社会などの賛成多数で可決しました。
 沖縄における米海兵隊員による少女暴行事件に関する意見書には、自民・公明にくわえて、民主まで反対し、否決となりました。
                  以上

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