水谷修・京都府議会議員【宇治・久御山】
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2012年12月市議会定例会について
2013年2月12日 日本共産党宇治市会議員団
宇治市議会12月定例会は、市長選挙があったため、12月27日開会、1月29日閉会という変則的な日程で行われました。また、市長選挙後最初の議会であり、国政での政権交代後最初の議会でした。
私たちは、市長選挙や市議補選、また総選挙で訴えてきた公約の実現へ全力をあげました。
市長選挙では21宇治市民ネットの能塚たえ子さんが勝利できませんでしたが、争点化された公約内容が実現するなど、要求が実りつつあります。子ども医療費の拡充について2013年度当初予算で具体化することになり、集会所管理人制度廃止などを内容とする集会所再生プランは期限を定めず延期することになり、災害復旧で10億円以上の補正予算が決まり、市民からの寄付金は被災者に渡されることに変更されました。
1、子どもの医療費助成制度、拡充へ来年度予算で検討
前市長が拡充拒否に固執し、府南部最低だった子どもの医療費助成制度。拡充を求める市民運動が広がり、大きな世論となって市長選挙の争点になりました。
市長は「(子供の医療費助成拡充を)予算編成で検討する」と答弁。運動が実り、能塚さんの公約を実現することになりました。
2、豪雨災害対策、市民の寄付金は被災者へ
新市長は選挙中、災害対策が重点としてきたにもかかわらず、前市政の水準を踏襲することとしており、復旧と二次災害防止を急ぐなど、さらに対策強化が急務です。
9月議会で市民からの寄付金を1200万円と見込み、「床上浸水」以上の被災者に10~1万円の見舞金を制度化しました。しかし、市民の寄付が約2767万円(1月末)集まり、約1567万円が予算化されず3ケ月も放置されていました。私たちは床下浸水の被災者等にも見舞金を出すべきだとしてきましたが、新市長は寄付金を原資に町内会に防災対策の補助金を出すと方針化。12月議会で、私たちは寄付した市民の意向と沿うようにするため「被災者に渡すべき」と求めました。市議会は補正予算に対し、「寄付金を被災者への支援・見舞金等として早期に予算化」すべきと全会一致で付帯決議をつけました。結局、市長も私たちの要求に沿い方針転換しました。
3、集会所再生プラン、期限を定めず延期へ
宇治市は、集会所管理者制度をなくし、小修繕等を住民負担とする「集会所再生プラン」という改悪を推進してきました。12月定例会で市は、前市政の方針を踏襲する旨の答弁をしていました。しかし、定例会終了後、集会所再生プランは、関係自治会等の合意が得られずにいることなどから、期限を定めず延期する方針に転換されました。(2月8日の市民環境常任委員会に報告)
4、国民健康保険4年連続黒字の一方、保険料引き下げず
2012年度の決算見込みは、収支差引3億2833万円で4年連続の黒字見込みで、基金積み増し分を加えると、実質5億4412万円の黒字です。私たちは引下げすべきと求めてきましたが、市は拒否してきました。
全国の市町村が保険料を抑えるために一般会計から法定外繰入金(出産祝い金や人件費などの法定繰入以外の繰入金)を支出していますが、宇治市は、2012年度1円も支出していません(6月議会での部長答弁)。保険料を引上げしすぎて黒字になっているのですから、引下げるべきです。
5、敬老祝い金復活要求を拒否、遅い老朽校舎改修
敬老祝金廃止や鍼灸・あんま・マッサージ費助成の対象者半減の見直しを求めましたが、新市長は、これを拒否しました。
老朽校舎の改修や少人数学級の実現を求める「教育署名」が提出されていましたが、民主・自民・公明は請願内容の必要性を認めましたが、理由も示さず反対し、不採択となりました。
御蔵山小学校や三室戸小学校で児童増や35人学級にともなう教室不足が深刻ですが、音楽室や図工室をなくして普通教室や少人数授業に使用し、「安上がり」で対応しています。計画的に教室不足を解消するべきです。
6、人事監制度廃止に
人事監は、前市長が職員組合との交渉を分担するため、非常勤嘱託の特別職として2005年4月に設置しました。地方自治法(158条)で、市長の直近下位の内部組織及び分掌する事務は条例で定めなければならない、とされているのに条例では定めず法律上も疑義が残る組織機構でした。
私たちは一貫して廃止を求めてきました。結局、市長は12月議会に人事監廃止条例を提案せざるをえませんでした。
7、バス路線10路線全廃、3路線短縮へ
宇治市は「13路線の廃止」を昨年5月に報告しました。関係住民の猛反発がありましたが、宇治市は12月議会で今年4月から10路線を全廃、3路線を短縮すると報告。これが実施されれば西小倉・名木、槇島地域は新たにバス空白地域になり、市民の足が奪われます。
8、原発再稼働しないよう求める意見書に民主・自民・公明が反対
共産・社会が共同提案した、原発の安全確認まで再稼働しないよう求める意見書に対し、民主・自民・公明が反対し可決されませんでした。
原発問題は、防災計画見直しや避難計画という宇治市としての重要な問題・課題です。ところが、原発再稼働に反対すべきとの問いに市長は「国が決めていくもの」と市民の安全を守る立場に立ちませんでした。 以上