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2015年3月市議会定例会について

               2015年4月6日 日本共産党宇治市会議員団

 

 宇治市議会3月定例会(2月20日開会、3月30日閉会)は、新年度予算を決める議会であり、「国保料引き下げ請願署名」「教育署名」が提出されるなど市民の願いが寄せられた議会でした。

 日本共産党市議団は議会基本条例改正案、国保料引き下げ条例、および、療育手帳Bの方の医療費無料化条例を議員提案しました。また、100条調査委員会で政務活動費の問題を解明しました。市議団は市民の願いを実現するために全力をあげました。

 

1、6年連続黒字の国保会計、高すぎる国保料の引き下げを

 「国保料引き下げを求める請願」が提出されるなど、高すぎる国保料に対し悲鳴が上がっています。

 国保会計は6年連続黒字で、基金は6年間に6倍以上にふくらみ、2014年度末基金残高は10億8千万円にもなりました。また、国が市町村への財政支援を拡充したため1億8千万円の新たな財源が生まれました。市議団はこうした財源を使い、国保料引き下げ条例(3人世帯で1万2千円引き下げ)を社会議員団と共同で提案しました。自民・公明・民主などが請願にも引き下げ条例にも反対し、引き下げは実現されませんでした。

 

2、太閤堤公園に80億円費やす一方で、雨漏り・臭い便所など老朽校舎

 宇治市は太閤堤跡につくる公園に総額で80億円かける方針を決めその計画推進のため2015年度予算に8億円を計上しました。

 市立の小中学校32校中19校で雨漏り校舎・体育館があり、便所改修が遅れて8校24の便器が使用禁止になっていることが明らかになりました。用務員など教職員の努力にかかわらず、市が修繕・改修費も出さないから壊れたまま放置されている箇所も多くあります。
 市教委は2017年までに雨漏り・臭い便所は解消する計画を策定しましたが、事業が遅れ、残り3年で実現できるめどが立ったいません。

 調査済みのものだけで20箇所が耐震強度不足の市集会所は7500万円で耐震改修できるのに、今年度予算化を見送りました。

 Bタイプリハビリ教室は宇治市が市社協に委託している事業で、20箇所の教室は学区福祉委員会などが担っています。その運営費用を平均15万円から一律8万円に半減することになり、現場のボランティアの皆さんから悲鳴が上がっています。市社協が140万円の赤字があり是正を求めているのに宇治市は70万円しか増額しないという不誠実な対応に終始しています。

 太閤堤公園に80億円費やす一方で、実施することが当たり前の事業に予算を渋る宇治市の姿勢は、予算の使い方が間違っていると言わざるを得ません。

3、療育手帳Bの方の医療費無料条例、僅差の否決

 昨年の9月定例会に、宇治市障害者施設保護者連絡会代表から「障害者福祉の充実を求める請願」が出され全会一致で採択しました。市議会は、市長において措置することが適当であるため、市長に請願を送付しました。ところが、宇治市は新年度予算に計上しませんでした。全会一致で採択した市議会が議決機関としての責任で制度を条例化すべきであることから、共産・社会が条例案を共同提案しました。

 本会議採決で賛成11人(無会派議員一人が勘違いで起立せず。実質は賛成12人、反対14人)の僅差で可決されませんでした。

 市の説明によれば最大2900万円の財源で実現可能であり、早期に実現すべきです。

 

4、子ども医療助成、対象を中卒まで拡充、教室クーラー工事完了

 9月から子ども医療費助成の対象が中学卒業まで拡充され、学校のクーラー設置工事が2014年度で基本的に完了しました。繰り返し請願に取り組まれた市民運動の成果です。市議団はその実現に努力してきました。

 市議団は、介護保険の負担軽減、地域包括センターの増設・職員増、学校図書館司書の増員、保育所待機児童の解消、予約制乗合(デマンド)タクシー、中学校給食実現、住宅リフォーム助成制度、近鉄小倉地下道のバリアフリー化、官製ワーキングプアーの解消などを一般質問で取り上げ、市民要求の実現めざして全力を尽くしました。

 

5、ヘイトスピーチ法整備を求める意見書可決。

 「ヘイトスピーチ(憎悪表現)等に関する法の整備を求める意見書」が全会一致で可決され、政府などに送付されました。

 共産・社会が提案した「集団的自衛権行使・特定秘密保護法施行ならびに憲法改正に反対する意見書」は自民・公明・民主などが反対し否決となりました。

 

6、政務活動費是正。市議会基本条例改正で、政治倫理基準などの条項

 金ケ崎秀明市議(自民会派離脱→無会派)が政務活動費で21万枚のコピー用紙を購入した問題で、議会運営委員会(宮本繁夫委員長)は、地方自治法100条にもとづき調査しました。証人尋問や提出記録から、市議が経営する会社が、通販会社にコピー用紙等を発注し、通販会社の代理店に入金していたことが明らかになりました。同市議が提出した報告書には、同市議が代金を支払ったことにしていましたが、事実は同市議が支払いをしていませんでした。

 議会運営員会が「政務活動費を使用したとは認められない」「23万3675円の返還を求めることが相当」との報告書をまとめ、結局返金されました。100条調査で証人喚問や資料提出を求めた結果、事実を解明できたのでした。

 さらに、秋月新治市議(維新の党)が年度違いの請求があり、家庭用灯油・タイヤの購入代金を「ガソリン」として請求していた事実が明らかになりましたが、同市議が市長と係争中であることを理由に訂正を拒否したため、議長が返還指示をだす異例の事態も発生しています。

 こうした状況下で、党市議団は市議会基本条例に政治倫理基準と政治倫理審査会設置を盛り込む改正案を議員提案しました。この市議団が単独提案した条例改正案が、賛成多数で可決され、今年8月までに政治倫理基準・審査会を決めることになりました。

          以上 
 

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