水谷修・京都府議会議員【宇治・久御山】
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2008年9月市議会定例会について
2008年10月15日 日本共産党宇治市会議員団
9月定例会(9月18日~10月9日)は、現市長にとって任期最後の議会であり、論戦を通じて、現市長の市民の願いに応えない姿勢が明白になりました。また各政党の福祉や食の安全に対する姿勢が明らかになった議会でもありました。
1、現市長、教育・福祉を後退させる「行革」を推進
■待機児解消が急務なのに、市立槇島保育所を廃園し、近隣に民間園を開設するための用地費約1億円。
宇治市では、155人(9月1日現在)の保育所待機児がおり、保育所増設など待機児を解消することが最重要課題です。ところが宇治市は、槇島保育所(定数100)を廃園し、2011年に近隣に民間保育園を開園するための用地費約1億円の予算をだしました。槇島保育所は建てかえて存続し、保育需要の大きい地域に、保育所を建設すれば待機児解消がすすむのではないでしょうか。共産党議員団は社会議員団とともに用地費を削除する予算修正案を議員提案しましたが、これに民主・自民・公明などが反対し否決されました。
■市民一人当たりの教育費(06年度決算)はわずか26,600円で、府内15市で最も低い金額です。教育に予算を使わない市政のもとで、教員配置の基準を満たしていない学校もあることが共産党の追及で判明し、大問題になっています。
また、学校・幼稚園・保育所の耐震改修が急務なのに完了は2013年の計画です。早期前倒し実施すべきとの追及に「計画期間内の早期に」としか答えませんでした。防災拠点でもあり耐震基準未満の施設が多い学校などの改修にこんな姿勢でいいのでしょうか。
2、市民の願いに背を向ける現市政、与党各党
■宇治市の国民健康保険料(06年度)は京都府内15市の中で4番目の高さです。保険証をとりあげられて「無保険」になっている世帯は255世帯(9月1日現在)で、なかには中学生がいる家庭が2世帯含まれています。「保険料引下げを求める請願」が5039人から出されましたが、宇治市は引下げを拒否し、公明党議員は「国保事業運営の収支均衡を悪化させる」などと発言し、民主・自民・公明などが請願書に反対、不採択となりました。
低所得者には負担の限界をこえています。例えば、所得100万円の3人家族では保険料が15万5404円。所得の15%以上です。
宇治市は一般会計からの繰入金は一人当たり5,688円で、府内15市平均の10,942円の半分です。せめて府内の市並みに繰り入れて、国保料を下げるべきです。
■「こどもの医療費無料化の拡充を求める請願」が3073人から出されましたが、宇治市は「子育て支援は医療費軽減だけではない」といって、これを拒否、民主党議員は「市単独で推進するには財政環境がきびしい」といい、民主・自民・公明などが請願書に反対、不採択となりました。
子どもの医療費を小学校入学まで無料にするのに必要な財源は6,900万円です。これは、収入500万円の家庭に置き換えると一ヶ月527円の負担でできることで、やりくりで捻出可能な金額です。小学校入学までの無料化は、他の自治体では当たり前に実施しています。宇治市にないのは「財政環境」ではなく、やる気なのではないでしょうか。
3、自公の「国の悪政」を市民に押し付け、推進する市長の姿勢
■宇治川堤防が脆弱で、1500トン放流は危険で、「効果が限定的」で無駄なダム開発の見直しこそ重要であると、流域委員会(国土交通省の諮問機関)も求めているのに、市長は国土交通省の「河川整備計画案」の促進を望む意思表明をしました。
国土交通省は天ケ瀬ダムから「3キロ以内に活断層はない」としていますが、1.2キロ地点まで黄檗活断層が伸びていることが国土交通省の資料でも明らかになっており、間違っていることが明白で、ダムの危険性が問題視されています。ダム計画を「歓迎」する市長の姿勢は許されません。しかも宇治市自身が意見書で堤防強化など17項目の要望を提出しており、これに何の返答もないもとでの意見表明です。
■75歳の年齢で受ける医療が差別され、別保険にされる「後期高齢者医療制度」に国民の批判が広がり、廃止すべきです。ところが市長は廃止や見直し論議について「本制度が廃止となれば、新たな混乱を生」むと答弁しました。これで市民の願いにこたえることができるでしょうか。
4、食の安全安心と食糧自給率向上を求める意見書、社会保障費2200億円削減方針の撤回求める意見書、自民・公明反対するも、可決
■「事故米の不正規流通事件に伴う食の安心・安全の確保と食料自給率の向上に関する意見書」「社会保障関係費の2200億円削減方針の撤回を求める意見書」に自民(4人)・公明(5人)が反対しましたが、共産(8人)・民主(6人)・社会(2人)、新世会(2人)、無会派2人)の20人が賛成、可決し政府に送付しました。