水谷修・京都府議会議員【宇治・久御山】
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2018年9月定例会について
2018年11月6日 日本共産党宇治市会議員団
宇治市議会9月定例会(9月18日〜10月16日)は、お茶と宇治のまち歴史公園(以下、「歴史公園」)のPFI事業契約議案が提案された議会で、議会と議員のあり方、税金の使い方が問われる議会でした。共産党市議団は、市民の声を生かして、歴史公園事業より市民サービスにこそ予算を振り向けるべきだと全力を尽くしましたが、契約議案は自民、公明、うじ未来(旧民進)らの賛成多数で可決されました。さらに市は今後、ゴミ袋有料化、古紙回収報奨金の廃止をしようとしています。
1、歴史公園PFI契約議案を市民の声聞かず、自民・公明・旧民進が賛成可決
安倍地方創生路線 地方に大型事業推進と住民サービス低下を押し付ける
安倍政権のすすめる「地方創生路線」は、人口減少への危機感をあおり、社会保障費と地方交付税を削減する一方で、地方自治体に「人口増のため」に大型公共事業推進を押し付けるもので、その結果、全国の多くの自治体が住民サービを後退させる一方で大型事業を進めています。
山本市政は、この安倍政治をそのまま宇治に持ち込み、太閤堤跡の史跡事業を総額88億円事業に変貌させ、その一方で、鍼・きゅう・あんま助成や敬老会などの廃止、駐輪場など70の公共施設の料金値上げをすすめていますが、政策選択と税金の使い方がまちがっています。
党市議団は16年9月と17年3月にPFI事業予算を削除する修正案を提案し、賛成多数で歴史公園予算を「否決」してきました。しかし、昨年6月定例会では、党市議団が提案したPFI予算削除の修正案は否決され、市長提案の原案が、自民、公明、民進(現うじ未来)、維新の賛成で可決されました。
そして、今定例会で、歴史公園の設計、建設、維持管理、運営を一括して民間に委ねるPFI事業手法の契約議案が提案され、審議、採決が行われました。
経済効果・財政効果見込めず、20年間民間に全て委ねる事業
市や賛成議員は、仮契約したから見直しはできないと主張しましたが、仮契約は議会議決を条件しているものであり、契約は議会が決定するものです。
歴史公園事業によって「宇治への愛着が深まり」「定住促進への効果が期待できる」などと市は説明しますがそうした効果はあり得ず、市全体の観光客増が見込めず、経済効果・財政効果も見込めないものです。契約を決定する議会に対し、肝心な箇所は黒塗りにした資料しか提出しませんでした。このようなPFI事業手法は、20年間全てを民間に委ねるもので、市民に対し責任を持てないものです。
また、計画を見直しすれば、用地費にかかる国の交付金8億円を返還しなければならない可能性があると言います。しかし、史跡を生かしたまちづくりという目的にそって土地を活用すれば、返還することにはなりません。
自民党は「自民党は公共投資に積極的。公園整備は推進してきたから」、うじ未来は「民間活力の導入は欠かせない」、公明党は「投資の効果が不明確だが、予算が可決されているから」「執行にあたり、徹底した内部改革、財政健全化を推進すること」などとして、PFI事業契約議案に、自民・公明・うじ未来などが賛成し可決されました。
計画見直し・公聴会開催もとめる市民請願を不採択
歴史公園の見直し、審議にあたっての公聴会開催をもとめる市民請願(うち一件は宇治公民館・市民会館建替えを求める項目含む)が4件提出されました。地方自治法で、重要議案の審議にあたって公聴会を開催することが摘示されており、市議会基本条例でも公聴会・参考人制度の活用は明記してきました。重要議案は市民や利害関係者の意見を参考に決定すべきです。公聴会を開くべき時期は議案が提案された9月定例会ですが、「機を逸した」「バスは発車した」などとして自民・公明・うじ未来が反対して不採択となりました。
2、就学援助・入学準備金を入学前に、台風被害ーハウス・茶覆いに助成、地震被害ーブロック塀撤去費用が予算化
市は就学援助金について、小学校入学準備金を入学後に支給してきました。党市議団が繰り返し追及してきましたが、来年度から入学前に準備金を渡すことになり、そのための予算が計上されました。
台風21号でパイプハウス、茶の覆い、野小屋などが100件以上被害に遭っており、農業被害に対する支援を党市議団が要求してきましたが、府の助成に上乗せすることになりました。パイプハウスや覆いは全壊・大破の場合4分の3(上限あり)を助成するものです。また、危険なブロック塀の撤去が必要な場合4分の3(上限15万円)を助成することになりました。撤去後のフェンス等設置費用は助成されません。
3、ゴミ袋有料化、古紙回収報奨金の廃止をねらう
市は、市民環境常任委員会に「有料ごみ袋制の導入」「古紙回収の報奨金制度の見直し」について報告しました。「財政健全化推進プラン」おしつけの第二弾と言えるものです。
市の家庭系ごみ排出量は、20年間で3割減っていますが、これは市民の協力でごみの減量化や分別に取り組んで来た成果で、有料化せずともゴミは減らすことができます。13年から「指定ごみ袋制」を導入しましたが、多くの市民の反対で、有料化にはできませんでした。
市は「厳しい財政状況の中、引き続きごみ減量に資する事業等を展開する新たな財源確保のため、有料ごみ袋制度の導入について検討します」としていますが、88億円歴史公園を強行する一方でのごみ有料化は市民理解がえられるものではありません。
市は古紙や古布などの集団回収への報奨金をだして推奨してきました。町内会やPTAなど500以上の団体が受けている報奨金は、団体の主要財源であり、これがなくなれば大きな支障が出ます。
世論の力で、「有料ゴミ袋」「古紙回収助成の廃止」をストップしましょう。
4、太陽光発電規制条例制定を求める請願ー全会一致で採択
宇治市平尾台に隣接する調整区域で太陽光発電の事前協議が始まっていますが、関係住民から太陽光発電の規制条例制定を求める請願が出され、全会一致で採択されました。今後は、市もしくは議会が早期に条例を制定する責任があります。